2020年7月から25名のアート・コミュニケータ「トリばァ」によるVIVAでの活動が始まりました。
取手市内外より年齢や性別もそれぞれ異なる、学生や会社員、主婦や退職後の方、フリーランサーなど、多様な人々が共に活動しています!
新型コロナ感染症の影響を受け、活動開始時期が当初の予定より遅れましたが、無事にスタートを切った第1期の「トリばァ」たちの活動の様子をご覧ください。
7月から9月にかけて実施しました基礎講座の記録を公開いたします。
【これまでの活動】
2020年7月~9月:初回ガイダンス、基礎講座
・基礎講座①「アート・コミュニケータのための聞く力」
・基礎講座②「人と場所から考える、場を耕す」
・基礎講座③「作品を通じたコミュニケーション」
・基礎講座④「チームでプログラムを考える」
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【基礎講座の記録】
基礎講座①「アート・コミュニケータのための聞く力」
日時:2020年7月19日(日)13時〜16時
講師:伊藤達矢(東京藝術大学特任准教授)
会場:VIVA パーク
13:00 |
スタート |
ペアワーク|お互いに以下の質問を聞き合いました。 「皆さんはなぜ、VIVAのアート・コミュニケータになりましたか?」 |
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13:45 |
話し続けることが難しい聞き方をペアワークでやってみる。 無視/話を横取り/否定/安易な解決策を提案 |
相手が、できるだけ詳しく気持ちを込めて話続けることをより可能にする聞き方は一体どんな「聞き方」でしょうか? |
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休憩 |
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14:35 |
前半で行った聞き方を逆にしてみる: ・無視→関心を向ける ・横取り→ついてゆく ・否定→一緒に味わってみる ・安易な解決策→わかった気にならない |
ペアワークで、実際にその「聞き方」をやってみます。 |
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15:45 | ふりかえり・まとめ |
16:00 | 終わり |
VIVAスタッフの学びポイント
「きく」とは?
話を「きく」ということは、相手の様子に関心を向けて、一緒に感じてみること。「きく」こととは自分の取り扱いであり、相手の取り扱いであることを学びました。自分が「きく」ことで相手は「ちゃんと話せる」体験と出会うことができます。
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基礎講座②「人と場所から考える、場を耕す」
日時:2020年8月9日(日)13時〜16時
ゲスト:アサダワタル(文化活動家・アーティスト)
羽原康恵(取手アートプロジェクト事務局長)
会場:VIVA パーク
13:00 |
スタート |
人と場所から考える「場」の作り方とは、どのような方法があるのでしょうか?ゲストを2人招いて、お話を伺いました。 | |
13:10 |
羽原康恵|10年以上TAP(取手アートプロジェクト)の活動に携わり、取手を見守り続ける。TAPの事務局長を務める。 |
13:45 |
アサダワタル|全国各地の街中や学校、福祉施設や個人の家など様々な場所でアートプロジェクトを展開。属性に埋もれない「一人ひとりの個性」に着目したコミュニティづくりを行う。 |
休憩 |
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14:45 |
ライブトーク with ポストイット ※ゲストの話への質問や気づいたことをポストイットで書き出してみました。 |
15:15 |
グループディスカッション 「これまでに居心地の良いと感じた場はどんなところでしたか?」 |
15:45 | ふりかえり・共有 |
16:00 | 終わり |
VIVAスタッフの学びポイント
「場」とは?
VIVA アート・コミュニケータ「トリばァ」の活動では、VIVAという場所だったり、取手という地域が主な舞台となります。それは実際にある場所ですが、アート・コミュニケータの活動を通じて、人と人がつながる「場」というものが出来上がっていきます。そこにいる人たちと関わりながら、出会いの芽、対話・コミュニケーションを育んでいった先にできているもの、それが「場」に繋がるのでは、と考えました。
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基礎講座③「作品を通じたコミュニケーション」
日時:2020年8月23日(日)13時〜16時
ゲスト講師:近藤乃梨子(一般社団法アプリシエイトアプローチ代表)
会場:VIVA パーク、オープンアーカイブ
13:00 | スタート |
「対話による鑑賞」について | |
美術館や博物館にある作品や文化財=「私たちが共有すべき社会的な財産」 ※オープンアーカイブにある作品は、東京藝術大学美術館と取手市よりお預かりしているものになります。 |
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美術館や博物館に行きづらいと感じている人、知識や専門性があるひと、子ども、国籍を超えて作品を通じた対等な関係性作ることが、自分たちの思ったことを話し合えるという環境に繋がる。お互いの価値観を共有し合う場となることができる。 | |
休憩 | |
14:00 | 各グループに分かれて作品鑑賞 |
15:00 |
各グループに分かれてファシリテーター実践 ※ファシリテーターとは、対話型鑑賞において知識を教えたり解説するのではなく、中立の立場で参加者が話しやすい場を作り、コミュニケーションの交通整理役 |
15:45 | ふりかえり・まとめ |
16:00 | 終わり |
VIVAスタッフの学びポイント
「お互いの価値観を共有し合う」とは?
「もともとある考えと、新しく入ってきた知識が合わさることで、人は『わかった!』となる」=腑に落ちていくことが学びの本質です。作品を通して、お互いの価値観を共有しあうことは、他者、社会との繋がりをもつことになります。安心感があって、それぞれの価値観を交換しあえるようなコミュニケーションを作っていくには、「まだ生まれたての価値観」、「答えが曖昧なもの」に対して知識を教えるのではなく、それぞれの感じたことを共有することで私たちは新しいコミュニティを作ることに繋がります。
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基礎講座④「チームでプログラムを考える」
日時:2020年9月6日(日)13時〜16時
講師:伊藤達矢(東京藝術大学特任准教授)
会場:VIVA パーク
13:00 |
スタート |
「居合わせた人がすべて式」について ミッションを掲げて、到達するためにチームを編成するのではなく、集まってきた人たちの興味や関心、そこに居合わせた人たちでできる関係性を築いていく。 |
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13:00 | 具体的にチームでやってみる |
ポストイットに自分の「好きなこと」「得意なこと」「すべきこと」を記入 | |
13:40 |
プログラムを作ってみる。 他のメンバーのポストイットと組み合わせながら、どんなプログラムができるか考えてみる。 |
休憩 |
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14:45 | 他のグループの意見を取り入れて、ブラッシュアップ! |
15:25 | 投票 |
16:00 | 終わり |
アート・コミュニケータ「トリばァ」の今後の活動ポイント
活動の仕方
step 1|この指とまれ式(自分の関心や得意なことをきっかけにチームを作る)
step 2 |活動をする時は、そこにいる人がすべて式
ポイント
・全員がフラットに関わろう(発起人がリーダーではない)
・金銭では交換できない価値を作ろう(プロセスを大切にしよう)
・参加者だけの活動にしない(情報公開で結びつきを作ろう)
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【今後の予定】
2020年9月~:実践講座(対話型鑑賞コース/アクセスコース/VIVA研コース)
※詳細・記録は随時HPにて更新いたします。