VIVAの中にある東京藝大オープンアーカイブは、東京藝術大学の卒業・修了作品を主に公開展示すると共に、「たいけん美じゅつ研究所」や「対話型鑑賞」など様々なプログラムを通して調査研究を行う収蔵庫です。収蔵庫は貴重な作品を次の世代に届けていくため、保存環境を整え、管理していく場所です。ここでは作品保護のために、時間を区切り少人数ずつ限定的に公開しています。
約1年ごとに一部展示替えを行っており、例年東京藝大大学美術館の買い上げ作品である映像や彫刻、作家個人から直接借用した平面作品、取手市長賞に選ばれた日本画を中心とした取手市の買い上げ作品を展示しています。今回は初めて令和卒の藝大生の自画像も公開いたします。東京藝大オープンアーカイブに展示している作品の作家の中から4人の自画像をご覧いただけます。是非作家の作品と自画像をそれぞれ見比べてみてください。雰囲気が似ていたり大きく違っていたり、新しい発見があるかもしれません。今を生きる作家たちの自己表現の展示を通して、今もどこかで活躍している作家の存在、証を感じていただけますと幸いです。
また、東京藝大オープンアーカイブの隣にはクローズアーカイブという中に入ることのできない収蔵庫があります。内部の様子を見ることができる小窓がついておりますので、美術の裏側を覗いてみてください。
東京藝大オープンアーカイブの見どころ
1. 美術館の展示室とは異なる公開型収蔵庫ならではの展示
ラックに収納する形だったり、展示台ではなく木製パレットの上に展示するなど、収蔵庫ならではの見せ方をしているのも特徴のひとつです。パーテーションが無いため、作品をより近くで鑑賞することも可能です。作品の裏側がどうなっているのかも見ることが出来ます。展覧会は行っておりませんが、対話型鑑賞やVIVA研が行いやすいように主体的に作品を見ることができるキュレーションを心がけています。
2. 令和卒の藝大生の自画像を初公開
東京藝術大学美術学部(絵画科日本画・油画、彫刻、工芸)では、学生の卒業課題として自画像を描くカリキュラムがあります。その伝統は古く、藝大の前身・東京美術学校西洋画科(現在の絵画科油画)の開設当初から始まり、明治31年(1898)以降の卒業生の作品が残されています。途中、戦争などでなんどか中断はありましたが、自画像は現在まで収集され続け、大学美術館で保管されています。
明治・大正から現在に至る過程で、自画像は作家にとって重要な表現のひとつになりました。記録としてだけではなく自己表現として自画像を描くという意識が生まれたのです。今年度は、これまでクローズアーカイブに眠っていたままになっていた自画像の中から4点を初公開いたします。
3. アーティストに出会える
ここで展示している作家の中から毎年4名の方にお越しいただき、作品インタビューやアーティストトークを行っています。作家と出会い、お話を聞いたりする特別な「たいけん」をしてみませんか?日時は確定次第、HPに掲載予定です。
出品作家(50音順)
東京藝大オープンアーカイブ
東京藝術大学大学美術館蔵
岩瀬 夏緒里/小笠原 幸永/小林 龍太/後藤 光利/志喜屋 徹/柴田 早穂/森田 太初
取手市蔵
秋山 洋平/伊藤 寛人/川口 富裕実/菅原 道朝/中島 芳奈子/野堀 佳代子/フカミエリ
松下 雅寿/松永 龍太郎/吉川 龍/渡辺 悦子
個人蔵
クローズアーカイブ
東京藝術大学大学美術館蔵
室井悠輔/令和元年~5年度の自画像
<会期>
2024年6月27日~2025年3月31日(都合により前後することがあります)
<開場時間>
11:00-12:00/14:00-18:00
※休業日:水曜日・金曜日午前・第一日曜日・アトレ取手休館日
※イベント開催時は閉場する場合がございます。詳しくはお問い合わせください。
<料金>
無料